お線香の正しいあげ方 / 成田 八富成田斎場
2021/02/08
皆様こんにちは。
今回はお線香の正しいあげ方についてご紹介していきます。
弔問に伺った際やお墓参りの際、故人様の宗教が仏教であれば必ずお線香をあげます。
弔問やお墓参りに欠かせないお線香ですが、宗派によってお線香をあげる本数に違いがあり、お線香をあげる際に決まったマナーがあるのはご存知でしたか?
弔問の際やお墓参りの際にお線香をあげるという行為ですが、この行為には3つの意味が込められていると言われています。
・故人様の食べ物になるため
死後の人間が食べるのは匂いだけで、善行を行った死者は良い香りを食べるという記述が仏教経典である倶舎論(くしゃろん)にあるように、故人様がお亡くなりになってから四十九日を迎えられるまでは、線香を食べ物とすると仏教では考えます。
これは食香と呼ばれ、地域や宗教によっては、四十九日を過ぎるまで線香の火を絶やさないように務めるのはこのためです。
・自身の身を清めるため
仏教が生まれたインドでは、高貴な方と接する際は必ずお線香を焚く作法があります。
これは、仏教が説教の中で、俗塵(ぞくじん)つまり、日常でいつの間にか汚れてしまった心を清めるためにお香を焚いて清めるよう説いたからだと言われています。
・故人様と心を通わせるため
仏教では、お線香の煙にはそれを通して仏様とお話しをするという意味があります。
つまり、お線香の煙があの世の故人様とこの世の私たちの橋渡しをしてくれるのです。
お線香をあげて手を合わせ、故人様に想いを馳せ、自分がこの世に生まれたことを感謝することは、お線香によって故人様と心を通わせることに他なりません。
お線香の本数を何本にするかは、その宗派によって決められています。
日々のご供養はご自身の宗派で普段行っている作法の本数でお線香をあげましょう。
なお、弔問先では故人様の信仰されていた宗派に合わせた本数でお線香をあげますが、故人様の宗派が分からない時は、事前にご遺族に確認しておきましょう。
・天台宗、真言宗・・・お線香の本数は3本で、3本同時に火をつけ、香炉の中に立てます。こちら側に1本、お仏壇側に2本と逆三角形になるように立てます。
・浄土宗・・・お線香の本数は1本で、香炉も真ん中に立てます。
・浄土真宗本願寺派・・・お線香1本を二つに折り、その2本に火を同時につけ、香炉の中で火が左横になるように寝かせて置きます。
・真宗大谷派・・・お線香1本〜2本を二つに折り、それらに火を同時につけ、航路の中で左横になるように寝かせて置きます。
・臨済宗、曹洞宗、日蓮宗・・・お線香の本数は1本で、航路の真ん中に立てます。
このようのに各宗派で置き方や本数が変わります。
お線香をあげるにあたって注意しなければならないことがあります。
お線香を1本立てるときは香炉の真ん中になるように立てますが、複数人でお線香をあげて行く時は、香炉の空いているスペースにお線香を立てましょう。
また、お線香を2本あげる時は、2本くっつけて立てる、間を開けて立てる、のどちらでも構いません。
ただし、他の方がこれからお線香をあげる時は、スペースを確保するため2本くっつけて立てるのが良いでしょう。
天台宗と真言宗はお線香を3本立てますが、お仏壇側に2本、こちら側に1本立てて、逆三角形になるように配置します。
お線香の火をつける時は、直接ライターなどで火をつけてはいけません。正しくは、ろうそくに火を使って、お線香の本数に関わらず、まとめて手に持ったお線香に火をつけます。
ろうそくに火が灯っていない時は、まずろうそくに火をつけてからお線香に火をつけましょう。
また、火をつけたお線香に直接息を吹きかけて消すのもマナー違反です。10cm程度下にスッと引いて消す方法もありますが、こちらは慣れていないと無理矢理振り消しているような印象を与えてしまいますから、お線香を持った手と逆の手であおいで消しましょう。
年齢を重ねるにつれて人間関係は広がり、ご葬儀や弔問の機会も必然的に増えていきます。
なお、司会者や喪主からお線香のあげ方について指示があった場合は、そちらを優先して従いましょう。
なにかと忙しい毎日を送る私たちですが、お墓参りやお仏壇に手を合わせるときは、お線香をあげて心を静めて、故人様やご先祖様と対話をしてみるのも良いですね。